婚姻中に住宅ローンにより夫名義で取得したマンション等の不動産について、妻及び子の生活のために、財産分与として譲渡することがよくあります。
ただ、住宅ローンがそのまま残っているケースが多く、どのように返済していくのかという問題があります。この点、もし住宅ローンを返済しないのであれば、妻及び子は不動産に居住できなくなる危険性があります。
その意味で、不動産を財産分与する際に住宅ローンが残っている場合の返済方法は重要な点と言え、代表的な方法として次の方法があります。
(1)夫が金融機関に住宅ローンを返済し、夫の不払いが生じたときに備えて、妻の夫に対する事前求償権及び事後求償権を定めておく方法
(2)妻が金融機関に住宅ローンを返済し、その弁済期限までに夫は妻に対し弁済資金を事前に支払う方法
(3)住宅ローンの債務者を夫から妻へ変更する方法(但:金融機関は応じないことが多い。)